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MKSAP1 「頭痛と顔面痛」

葛西医院 小林正宜 2021/03/19

適々斎塾セミナーレポート 「MKSAP」 2021.3.13 小澤 労 先生 「頭痛と顔面痛」

担当:葛西医院 小林正宜

 

・頭痛へのアプローチと分類(2:31)

 まず危険な頭痛を除外する(SAH、髄膜炎etc..)ことが重要。そして、患者さんが困っている頭痛に対して診療を行うことが大切。頭痛はとにかく病歴が重要となる。

頭痛の実践的分類として、①危険な頭痛、②生活支障度の高い頭痛、③生活改善が要求される頭痛に分けられている。

 

・第1問目 症例:72歳男性、主訴:6カ月前から徐々に増悪する頭痛(6:09)

 心房細動があり、ワルファリン内服中→次の一手は何か?

この問題のポイントは二次性頭痛が疑われる患者さんにとって最も適切な検査を答えられるかどうか。二次性頭痛を疑うポイントも細かく紹介されている。

 

・第2問目 症例:47歳女性、主訴:4日間に3回発生した6-8時間続く頭痛(10:17)

 痛みは自発的に発生し、10秒以内に最強に達する。シャワーを浴びているとき、夕食中に発症した。頭部CTと腰椎穿刺で異常を認めない。次の一手は何か?
この問題のポイントは雷鳴様頭痛でどのような疾患を想起できるか。年齢、症状、エピソードを充分に吟味することと、疾患を想起できるかがポイント。

後半には本疾患について複数の先生方の自験例が紹介されている。

 

・雷鳴様頭痛の解説(19:45)

 頭部CTや髄液検査だけでは診断が付かない危険な疾患は意外と多い。

 

・第3問目 症例:58歳男性、主訴:12時間前に突然出現した右眼窩後部の頭痛、複視、悪寒(23:33)

 6日前に歯科治療、ヒドロコドン(医療用麻薬)を内服していた。BT38.9℃、BP138/90、PR88、右眼瞼浮腫を伴う右眼球突出を認める。対光反射や眼球運動異常を認める。最も考えられる疾患は何か?

 有痛性外眼筋麻痺の際にどのような鑑別疾患を考えるべきかがポイント。

 

・有痛性外眼筋麻痺の鑑別診断(28:23)

 血管障害、炎症性、腫瘍・外傷性、その他に分けて解説されている。

川島先生、板金先生からのコメントあり。

 

・第4問目 症例:19歳女性、主訴:項部硬直を伴う週単位で増悪する頭痛(31:32)

 当初は断続的な頭痛、8週間前から項部硬直を認め、この6週間は毎日頭痛がある。断続的に視力が数秒間暗くなることがあり、この3日間は拍動性の耳鳴を認める。尋常性挫創に対してミノサイクリンと過酸化ベンゾイル外用剤が処方されている。バイタル正常で、乳頭浮腫と左外転神経麻痺を認め、MRIとMRVは正常。次の一手は何か?

妊孕性のある女性の肥満に関連して起こる疾患であるが、鑑別診断が挙げられるかがポイント

 

・第5問目 症例:52歳女性、主訴:3週間前から続く頭痛(37:20)

 起床後から頭痛が始まり、日中に徐々に強くなる。臥位になると15-20分で改善する。
特徴的なエピソードに注目して疾患を想起する必要がある。典型的な症状と特徴的なMRI所見がある場合は腰椎穿刺を行わないことがポイント。

川島先生から自験例の紹介コメントあり。

 

・第6問目 症例:34歳男性、主訴:2週間前から起こる再発性の重度の鋭い右眼窩周囲痛(45:14)

 同側の鼻閉、流涙、嘔気、羞明を伴う約90分間の頭痛があり、半年前にも同様の頭痛が2カ月続いていた。身体診察や脳MRIは正常であった。
最も適切な治療薬はどれか?

 30歳前後に多く、片側性の非常に強い頭痛であり、頭痛と同側の結膜充血、流涙、鼻閉、鼻漏を伴うこと、2~3カ月続き、少なくとも1か月以上の緩解期があるという特徴的な発作頻度が診断のポイント。治療方法を覚えておきたい。

 

・まとめと頭痛についてのオススメの教科書(51:27)

レポートしたセミナー : MKSAPで学ぶプライマリケア疾患