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2022/09/24~25コロナ禍で行われた「初の」ハイブリッド型セミナーのレポートです

一般社団法人西日本臨床医学研修機構 2022/09/26

適々斎塾9月セミナー『COVID-19今とこれから』

第七波もなんとか終息の兆しを見せる中、9月25日に適々斎塾では会場とzoomを併用したhybridセミナーを開催いたしました。奇しくもお題はCOVID-19セミナー。水谷が仰せつかったのは午前の司会進行で、昼からの業務との兼ね合いでzoomでの参加となりました。

下畑先生のCOVID関連神経症状の回はLong COVIDと言われるいわゆるコロナによる後遺症のいくつかは脳血液関門(BBB)が破綻したことによる中枢神経症状の可能性や、コルチゾールの低下による副腎不全症状が原因になっているかもしれないという最新の知見のご紹介があり、またCOVID-19はbrain-fogを含め明らかな認知症のリスクであるというお話でした。やはりCOVID-19感染症はただの風邪ではないし、罹患後に不調を訴える方を安易に心療内科に紹介してするような医療は慎みたいと思いました。

武藤先生のお話は、検査の意義について今改めて考えるということでした。COVID-19前後で診療方法に一番変化を感じるのがこの点で、COVID抗原検査、PCR検査が市井にもかなりの強さのインパクトを持って周知されていることがあります。しかしこれも現在の有病率があってこそ検査陽性=真の陽性ということであり、有病率が低下していくCOVID-19共生時代においては危険な考え方と言わざるを得ません。この検査が陽性であればコロナだと言えるのは、検査前確率の高い今だからこそということを改めて自戒したいと思いました。

そして初のhybrid回となったのは3つめの小林先生の講演。KISA2隊や情熱大陸(2回目!)でお馴染みの先生が、どのようにして往診されているかをカメラの前で実演されました。会場からは矢継ぎ早に質問が飛び、司会としてはなんで僕もそこにいないんだろうと悔しく思うような盛り上がりでした。またコロナ治療薬の選択についても非常に勉強になりました。

COVIDの副産物としてwebを通したセミナーが数多く生まれ、どれも趣向を凝らした素晴らしい物だと思います。しかし本当のレクチャーの良さというのは(つまりただ物を教わるという類ではなく、今後の診療スタイルに関わるような、人生観を変えるようなものは)、対面でしか得られないような気がします。spiritualな物言いになりますが、人と会うということはそういうことだと思えるようなレクチャーでした。

COVIDとの共生、もうそこまで来ているのかもしれません。少なくとも適々斎は共生のための一歩を踏み出したと思います。そんなhybridセミナー初回でした。また会場で一緒に『学び合い』たいですね。

( 水谷肇:大阪医科薬科大学総合診療科)

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